白い丸皿が多い洋食器に比べ、和食器は形や柄が独特で種類も多く、用途も細かく分かれています。今回は和食器の種類別に、基本的な形と用途を紹介します。
目次
和食器は大まかに皿、飯碗、鉢、箸置、茶器、酒器種の6種のカテゴリーに分けることができます。さらにその中から細かく種類別に分けると、大皿、中皿、小皿、豆皿、角皿、飯碗、丼、鉢、箸置、土瓶、急須、湯呑み茶碗、徳利、片口、ぐい呑み、猪口などがあります。
和食器の主役と言うべきお皿です。形と大きさにより、用途も様々です。
⚪︎大皿・・尺皿とも呼ばれ、一尺の大きさの皿で30cm前後の物を指します。刺身の盛り合わせや真鯛の姿焼きなど、テーブルの中央に置いて取り分ける料理に使用します。
⚪︎中皿・・五寸皿、六寸皿、七寸皿と言われる物で、15〜21cmのサイズの皿のことです。一人分の主菜を盛り付けたり、または取り皿として使われます。
⚪︎小皿、豆皿、中猪口・・三寸皿、四寸皿の直径12cm以下のお皿のことです。取り皿や醤油皿、薬味用に使用します。また、おかずを少しづつ盛り付けるときや和菓子用など、幅広く使えます。中猪口は口が広めで酢の物や和え物の盛り付けに適しています。
⚪︎角皿・・正方形の四方皿は、お刺身や天婦羅などを盛り付けるのに適しています。また、一辺が長い長角皿は、焼魚や前菜などをに使います。
⚪︎茶碗、飯碗、丼・・ご飯を食べるための器です。陶磁器製がほとんどですが、漆の物もあります。飯碗より一回り大きい丼は、麺類や汁物にも使えます。茶碗は本来湯呑み茶碗を指しますが、現在ではご飯茶碗を指すようになりました。
⚪︎汁椀・・味噌汁やお吸い物に使う、口径12cm程度の椀です。ウレタン塗装の手頃な物から、本格的な漆器まで様々な素材があります。また、蓋付の物を吸物椀と言います。
⚪︎大鉢・・大皿同様、主菜や取り分け用の料理、特に煮物など汁気のある料理を盛り付けるのに使います。
⚪︎小鉢、とんすい・・皿より深みのある器のことです。珍味入れ用の小さな物から、和え物、酢の物用の大きな物まで大きさも様々です。また、とんすいは主に鍋料理の取り分け用として使います。
⚪︎浅鉢、向付・・浅鉢は煮物、和え物、お漬物など、非常に幅広く使えます。また、向付は主に刺身の盛り付けに使います。
箸置きは小さいながらもれっきとした和食器です。様々なデザインと色彩があり、金額的にもリーズナブルなので揃えやすく、毎日違ったデザインの物を楽しむことができます。
⚪︎土瓶、急須・・取手のつるが上に付いているのが土瓶、取っ手が横に付いているのが急須です。土瓶はたっぷり頂く番茶用、急須は煎茶や玉露の使います。
⚪︎湯呑み茶碗・・汲出し、筒、蓋付きの3種類があります。汲出しは他の2種類と比べると高さはなく、飲み口が広く香りが立ちやすいのが特徴です。筒茶碗はいわゆる湯呑み茶碗のことで筒のように深さがあり厚みもあるので、お茶が冷めにくいのが特徴です。蓋付き茶碗は来客時のおもてなしに使われることが多いです。
陶器、磁器、ガラスなど様々な素材のものがあり、その形状はオーソドックスなものから個性的はものまで幅広いです。
⚪︎徳利、片口・・酒を注ぐための器で、徳利は口が狭まったいわゆる徳利型、片口は筒形又は深さのある鉢型の器に注ぎ口が付いた物です。
⚪︎ぐい呑み、猪口・・酒を飲むための器で、ぐい呑みは大きくて深めの杯、猪口は上が広がって下がすぼまった小さめの杯です。