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和食献立の基本といわれる一汁三菜。日本人の主食であるご飯に、汁物、主菜、副菜、副副菜をバランスよく組み合わせた伝統的な献立です。身体に必要なエネルギーになる炭水化物、身体を作るたんぱく質、身体の調子を整えるビタミンの3つの栄養素を、バランスよく摂ることができます。
献立を組み立てるときは、まず主菜を決めた上で調理法・味付け・食材などがかぶらないように副菜、副副菜そして汁物と組み立てていきます。主菜とはたんぱく質のおかずで、基本は肉と魚を交互にしますが、時には卵、大豆も入れてバランスを取りましょう。副菜、副副菜はビタミン、食物繊維、ミネラルを多く含むおかずで、野菜、海藻、きのこ等がこれに当たります。汁は基本的に味噌汁のことを指しますが、お吸い物やけんちん汁でもかまいません。ここにぬか漬けなどの香の物が加わるとなおよいのですが、香の物は一汁三菜には含まれません。
主菜はメインのおかずなので、ボリュームがあり食べ応えのある献立にします。肉が主菜の献立例は牛肉のすき煮、豚肉の生姜焼き、豚の角煮、鶏肉の唐揚げ、鶏肉の照り焼き等です。また、魚が主菜の献立例は刺身、鰈の煮付け、秋刀魚の塩焼き、鯖の竜田揚げ、真鯛の酒蒸し等です。卵、大豆が主菜の献立例は鶏肉と玉子の親子煮、湯豆腐、巻繊焼き等です。
副菜、副副菜は野菜、海藻、きのこ等を使った、小鉢に添える程度のあっさりとしたおかずです。野菜が副菜の献立例は、小松菜のおひたし、牛蒡のきんぴら、人参の胡麻和え、法蓮草の白和え、里芋の煮ころがし、茄子の田楽等ですが、サラダも副菜としてとらえてよいでしょう。海藻、きのこを使った副菜は若芽の酢の物、ひじきの煮物、切り昆布の炒め物、焼き椎茸、なめたけおろし等です。
主菜の献立が決まったら、味付けや調理法が被らないようにバランスよく副菜、副副菜、汁の献立を決めていきます。例えば、主菜が豚肉の生姜焼きの場合は主菜が食べ応えのある一品なので、副菜はあっさりとした小松菜のおひたしで食物繊維、ビタミンを補い、副副菜は茗荷と若芽の酢の物でミネラル分を補います。汁は豆腐とナメコの赤出汁などがいいでしょう。また、主菜が鯵の塩焼き等あっさりした味わいの物の場合は、副菜に厚揚げと大根の煮物など、たんぱく質を含む食べ応えのある一品を選んでもよいでしょう。副副菜には法蓮草と人参の胡麻和え、汁はきのこ汁などでバランスよく献立を組み立てましょう。
毎日一汁三菜の和食献立を考えるのは最初は難しいもしれませんが、全ての献立を変える必要はなく、副菜は煮物を作り置きしたり、常備菜をうまく使うと準備も手際よく進めることができます。主菜は魚の干物を焼くだけでもいいですし、むしろ和食はシンプルな料理の方がその美味しさが引き立ちます。一汁三菜の和食献立は彩りも栄養バランスもよく、和食の素晴らしさを改めて気づかせてくれます。忙しいときはせめて週末だけでも、基本の一汁三菜の和食を食べてホッと一息ついてみてはいかがでしょうか。